2021/02/22 14:09


Stadtです。
去年、家都合で臨時休業させていただく告知の際に使用したこの写真。
DDR時代のJungpioniereの為のKalenderbuch、スケジュール帳。
今回は新商品の紹介ではなく(紹介はBASE Mag.に記載してますので、リンクからご覧ください)
このスケジュール帳についての記事です。
ただしこれは私の宝物なので非売品です!!!ごめんなさい!!

Jungpioniereって何?っていう方も多いと思います。Pionierは「ピオニール」と読み、
英語だとPioneerに相当するもので「開拓者」の意味。
旧東ドイツには14~25歳の国民の全員加入を事実上強制的に目指していた、
「自由ドイツ青年団(Freie Deutsche Jugend、略称:FDJ)」という共産圏ならではの組織があり、
FDJに入る前の年齢の子たちの「Pionierorganisation Ernst Thälmann」という青年組織もありました。

6~10歳の子供たちをユング ピオネール(Jungpioniere)、9~14歳はテールマン・ピオネール
(Thälmannpioniere)と呼んでいました。14歳からそのままFDJに加入という仕組みだったようです。
その制服が今回のカレンダーブックの表紙の中の何人かの子供たちが着ている、
白いシャツ/ブラウスに水色のズボン/スカート、水色のスカーフがそうです。
※14歳の最終所属年には赤いスカーフになるそう。

写真左はテールマンの名の元になった、Berlinにある”Ernst Thälmann”さんの巨大像、
右はその「Pionierorganisation Ernst Thälmann」のエンブレムで、JPはJungpioniereの略。

まあ、ざっくり歴史の後は中身について。

サイズは10.5㎝×15㎝とコンパクトな1973年のスケジュール帳。
普通のスケジュール帳の要素はあるんですが、その片面や隙間に
社会主義モチーフの詩やらお話やら2色刷りのイラストや、
各組織のエンブレムの紹介やら社会主義という背景がなければ楽しい読み物です。
上の写真の左は「Roter Oktober」”赤い10月”という詩。「赤い十月」は直訳ですが、
「レッドオクトーバー」、1917年に起きた旧ソ連を誕生させる発端になった、
ロシアの10月革命のことです。『10月革命、あなたは永遠に人々に光と導きを与えます。』のような
フレーズもあります。このイラストに社会主義思想が込められてるんですね。
そして右にはカワイイマトリョーシカとロケット。色々な要素がありすぎです。

かと思うと別ページの左には『今週にすでに一つ良い事しましたか?』の文章の下に、
お掃除道具を持った子供たち。左には『国際子どもデーに海外のお友達に挨拶を送ったかな?』とお手紙のイラスト。

別ページには鳩の折り方まで。鳩は旧東ドイツの象徴でもあるからでしょう。
少し質が良くない紙に2色刷りだとイラストがかえって映えているような気はします。
表紙にPioniere以外の民族衣装を着ている子たちは、ドイツ人以外の子でしょう。
旧東ドイツは海外の人たちを積極的に迎え入れていたようですので、それを強調したかったのかもしれません。
貴重な労働力になるというのも大きかったと思います。
プラスに考えると海外の人たちへの偏見や差別は少なかったのかなと思うんですが。
実際の当時の人たちの気持ちはわからないですけどね。

ともあれ、このスケジュール帳は年度ごとに内容やデザインも異なるので、その違いも楽しめます。
私は5冊持ってますが、自分の好きなタイプのデザインを選んで購入しました。
この1973年度版にはないですが、写真が多く使用されている年度もあります。
フォントもこの年度のものは見やすくて、私は好きですね。
私もお金に余裕があったら、また違う年度のを買ってみたいです。

新商品は以前にUpしている飴色のボウルのサイズ違いです。
こちらも是非ご覧くださいませ!

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Stadt
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